社会福祉法人町田市社会福祉協議会
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Q547 死にたい、消えたいというのは甘えなんでしょうか?…

今、高校 1 年生なのですが中学を卒業して 1 週間後からほぼ毎日のように寂しさや消失感を感じます。また、高校もなんかどうでも良くなる日がありもう 3 日も休んでしまいました。 親からはわかって貰えずズル休みだと責められます。やっぱりこれは甘えですかね。 もう、死にたいと考えることもあるけど死ぬ時の痛みを想像したら死ねなく、死ぬ勇気もなく消えたいと思ってしまいます。僕はこれからどうすればいいのですか?

※頂いたメールの表現を、一部修正しました。ご了承ください。

回答

メール、ありがとうございます。
寂しさや消失感を感じたことは私も経験しました。はっきりした原因がなかったですね。
あなたは今、中学を卒業して高校に入られた。しかし、まだ、高校生活に馴染んでいない、心が宙に浮いた状態にあるのでは、と思います。このような状態を脱したくて、消えたい、死にたいと思うのではないでしょうか。でも、死ぬのは怖い、勇気がいりますね。

このことで、読んだ本のある話を思い出しました(正確ではありませんが)。江戸時代に宮本武蔵(みやもとむさし)という剣術の達人がいました。その弟子に「昼行灯(ひるあんどん)」※とあだ名された、あまりパッとしない弟子がいました。武蔵が道場を留守にしたある日、「道場破り」で名高い剣術家が他流試合を申し込んできました。「道場破り」に負けると道場の信用がなくなります。弟子たちは怯み(ひるみ)ました。その時、「昼行灯」が「道場破り」の前に出てきて、木刀を右下にダラリと下げました。「道場破り」は打ち込もうとしましたが、「構えのない構え」にスキが見えず、去って行ったとのことです。弟子たちは「昼行灯」になぜ勝てたのか聞いたところ、「私は毎日、いつ死んでもいい修行をしている」。

「日々の鍛錬が大切」を説いていますが、普通の人には「死ぬ修行」はムリ、やっぱり楽して死ねないものですね。というわけで私たちは今を一生懸命生きていかなければなりません。でも、一生懸命も難しい? 本当でしょうか。中学生から高校生になった「過渡期」をうまく乗り切れないだけです。つまり、中学生までの子供時代から大人に成長する「過渡期」にあるからです。今の自分を「甘え」じゃないか、と思っていることから分かります。

多分、今まで言われたことをしてきた子供時代から離れ、ものごとを自分で決めよう(「自律」と言います)と模索している時期だと思います。

今、何に対して「甘え」ているのか、素直に自分の心に問いかけましょう。そして、心に思ったことを身近な大人(話を聞いてくれる人)や学校のカウンセラーに話してみましょう。そうすることで自分で気づいて自律することができると思います。これが今やる「一生懸命」です。

※昼行灯(ひるあんどん) : 日中に行灯(日本に伝統的な室内照明器具)をともしても、うすぼんやりとしているところから、 ぼんやりした人、役に立たない人をあざけっていう語。

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