きみどり相談員
「忘れられない一言」
「そのサンダル、私はとても好きよ!あなたによく似合っている!」
と、通りすがりの知らない人に笑顔で言われた時、あなたはどう反応しますか?
今から20年近く前の話ですが海外を旅行をしていたとき、お店でたまたますれ違った人がごく自然に、私のはいていたサンダルを褒めてくれました。実はそのサンダルは私のお気に入りでした。ただし派手な色遣いで目立ちすぎるかなと思っていたのです。(若い頃は流行に合わせることがよく、目立ちたくないと思っていたのでしょう。)けれども自分の好きな色、旅行先でならと思い、履いたサンダルでした。
値段が高い、安いということに関係なく、その人が良いと思ったから褒めてくれたという真っ直ぐな気持ち、そして私に似合っているという言葉も嬉しいものでした。いきなり声をかけられ、最初こそ驚いたものの、「どこで買ったの?」「街にある普通のお店だけれど、日本にしかないかもしれない」「えー!じゃあ日本に行かなくちゃ!」と、笑い話をして別れました。
そのあともこのような声をかけられることがよくあり、それが文化なんだということを学んだものの、みな本当にさりげないポイントをよく見てくれ、うらやましいという妬み(ねたみ)やお世辞といったことではない、ただ「いいね!」と素直な気持ちを表現してくれます。そのたびに私も表現してもらった気持ちを素直に受けとり、「ありがとう!」と表現できるようになりました。そして私も「この人のここ、素敵だな」と感じた時にはなるべく言葉にして伝えるようになりました。それは今でも続けています。
日本では地域差はあるものの、このような挨拶の文化はあまりないので、見ず知らずの人と会話をするきっかけはないかもしれません。しかしお隣にいる友人や家族のちょっとした変化や素敵なことに目を向けて、いいと思ったことは言葉にして伝えてみると、そこから次の楽しい展開があるかもしれません。さりげないその一言が相手に勇気や元気を与えたり、その後の会話が弾んだり、色々と自分が知らなかったことを教えてもらったりすることもあり、楽しい時間になりますよ。
名前はわからない、顔もはっきりとは覚えていないけれど、今でもあの時声をかけてくれた時の情景や自分の気持ちが暖かくなったことはしっかり覚えています。「そのサンダル、私はとても好きよ!」と声をかけてくれたあの人へ、どうもありがとう。
アナベル相談員
「私の心に残った人」
世の中には完璧に物事を成し遂げる人がいます。スポーツの世界、将棋の世界では皆さんも知っている有名なアスリートや騎手がいますね。完璧な演技や完全勝利を成し遂げるためには並大抵ではない練習を繰り返し、血と汗がにじむような努力をすることでしょう。想像がつかないほどです。すごいなあと感心するとともに自分とは違う世界で生活している人のようにも思えます。
でもどれだけ練習をしても、どれだけ努力を積み重ねても、完璧を成し遂げられる人はごくわずかな人だという現実もあります。
彼女もまた、完全制覇ができずに悔しい思いをした一人です。
それは2014年ソチ五輪の氷上でのできごとです。彼女はフィギュアスケーター。ソチ五輪ショートプログラムでまさかの16位と出遅れましたが、翌日のフリーでは大きな重圧を乗り越え、気持ちを切り替えて挑んだ結果、全世界を魅了する完ぺきな演技を見せてくれました。フィニッシュであふれ出た彼女の涙は多くの人に感動と勇気を与えてくれました。前日の16位から一転、自己最高得点を挙げたフリーは「奇跡の4分間」ともいわれています。
スポーツは勝つことや記録を出すことが重要だと思います。しかしそれ以上に大切なことは失敗してもまた挑戦する姿勢や心構えだと彼女は多くの人に教えてくれました。
失敗から這い上がる、ギリギリの精神状態から諦めることなくやり遂げる彼女の強さが全世界の人々に感動と勇気を与えてくれたこと、今でも私は忘れずにいます。
完璧な結果をだすことは素晴らしいことではあるけれど、完璧に向かって努力していく姿こそが素晴らしいし、美しいと思います。何かしらの壁にぶつかったとき、とてもつらい思いになったとき、彼女の信念を貫き通す純粋な気持ちと挫折から立ち上がる強さを思い出し、私は自分に勇気をもらっています。
彼女は私たちに「失敗すること」「挫折すること」の大切さを教えてくれました。
彼女を見るたびに前を向くことの大切さを教えてもらい、明日からまた頑張ろうって共感しあえるのです。
彼女は私の「心に残る人」であり、また「全世界のヒロイン」です
今年もアイススケートの時期になりました。誰かが氷の上でトリプルアクセルを飛んでいるかもしれません。
くろらん相談員
「印象に残っている出来事」
私は、3週間前から新しい活動を毎朝続けています。
クイズです。その活動とはなんでしょう・・・
○朝早くから外出して動くので、日常生活が整うこと
これまでの午前中は、ついダラダラと過ごしてあっという間にお昼になってしまいました。夜も早めに就寝できます。
○複数の大人と、見えるけれど離れた場所で活動します。
コミュニケーションは、ノンバーバルなサインで伝わること多くて何だかスッキリした思いがします。
○これまでとは違った場所や上下左右をよく見るようになりました。
どんな鳥がどんな風に鳴いているか、どんな花が咲いているか、道路のちょっとした段差に気付くし、外気温に敏感になりました。雨や風に匂いがあることもわかりました。
○毎朝、大人も子どもも大体同じ顔ぶれに会う
仕事柄、月に一度か2週間に一度誰かと会うことはありました。
○車との接点もある
大体同じ車が通るので、会釈をする、声をかけられることも増えてきました。
運転の仕方(ブレーキのかけ方や、スピードの出し方)が人によってこんなに違うんだとわかりました。
○雨の時は傘をさしません。
雨の降りかたや、雨粒を感じられるようになりました。
○ムスッとした顔、にらまれる時もあれば、元気に挨拶をしてくれることもあります。
これが一番私に元気をくれます。毎朝なのでその日その日の違う表情に触れ、少しの会話、声かけが出来ることに嬉しさいっぱいなのです。あやしいおばさんにならないようにユニフォームも着ていますよ。楽しいことがあるといいね、と送り出しています。
○大人にも声をかけられる
中学生、高校生、お勤めに行く人、小さな子を自転車に乗せて走る人等々、いろんな人と挨拶や、会釈、労い、チラ見の気付きも含めて声をかけ合うことが多くなりました。
○まっすぐに歩かないって素敵!
遅れるよ〜と言いたいこともあるけれど、あえて言わない私。だって電柱の周りをぐるぐる回り、右に行ってはしゃがみ込み。左に行ってはおしゃべりしていて、なんて好奇心いっぱいなんだろうと見ているだけでワクワクするからです。
○挨拶を交わし合うことも嬉しいし、会えて嬉しいな、一日いろいろなことがあったでしょうと察するから生きてくれてありがとうという気持ちにもなります。
今日一日、どうかこの子たちにひとつでも良いことがありますように・・と祈る気持ちで活動できることは、私にとっても有意義な一日の滑り出しになっています。
さてさてその活動とは・・・皆さんのお住まい近くにもいらっしゃるかもしれない小学生のための旗振りボランティアでした。早く明日にならないかなぁ・・・