社会福祉法人町田市社会福祉協議会
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Q541 社会に出るのが不安でたまらない

社会に出るのが不安で不安で押し潰されてしまいそうです。どのように折り合いをつけていけば良いのでしょうか

回答

「社会にでる」ということは、あなたにとって最初の大きな出来事ですが、その環境変化に伴って(ともなって)心の中に、漠然(ばくぜん)とした、大きな不安を抱えているのですね。その不安は慣れ親しんだ学校生活の「過去・現在の自分」から離れること、新たな人間関係が生じる社会人としての「未来の自分」を想像できないことによる、心の痛みを感じているからではないでしょうか。
 今までの学校生活から、スパッと社会人へと気持ちを切り替えるのはなかなか難しいことです。しかし、「過去・現在の自分」と「未来の自分」との間で心が揺(ゆ)り動いていることは、決して避けることではなく、無意味でもありません。むしろ、心が揺り動いているこの過渡期(かとき)をどう考えるか、が大切なことです。
 では、この過渡期をどう考えたらよいのでしょう?
「“始まり”は何かが “終わる”ところから始まる」という考えを紹介しましょう。「未来の自分」 (“始まり”) を想像することは難しいことですが、「過去・現在の自分」(“終わり”) を振り返ることはできますね。 では、学校生活の何が終わるのでしょうか? 毎日のように顔を合わす仲の良い友だちや先生たちとの別れ、学校という心地良い居場所の喪失、今何をしたらよいか、などでしょうか。”終わり”を考えることは、空しさや孤独感を感じることになるかもしれませんが、この感情・感覚から逃げることなく、そう思っている自分を受け入れてほしいのです。これはとてもつらいことです。しかし、この感情・感覚を自覚することから「新たな自分」が生まれてくるのです。
 具体的にこの過渡期をどのように乗り切ったら(折り合いをつけたら)よいのか、いくつかのアイデアを紹介しましょう(以下のすべてを実行する必要はありません)。
・今、心の中をよぎるさまざまな気持ちを素直に書きとめる。
・自分史を書く。どう生きてきたかを整理する。
・自分の心に「何をしたいのか」問いかける。しがらみや固定観念、他者の期待から離れる。
・一人になれる場所と時間を確保する(または、旅に出る)。感じたこと、考えたことを記録する。
このような行動をとることで、「過去・現在の自分」を振り返り、見直すことで、上手に「終える」ことができるでしょう。また、自分を客観的に見つめ、自分と対話することで、「未来の自分」を見つけるきっかけになるでしょう。
 これからの人生で、例えば、結婚、転居、大病、退職、離別など大きな環境変化に出会うかもしれません。その時、心の不安を感じたら、この過渡期の体験が役立つと思います。

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