社会福祉法人町田市社会福祉協議会
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Q590 滑舌(かつぜつ)が悪く笑われてしまいました。

私は滑舌(かつぜつ)が悪いです。自分は「かきくけこ」と言ったつもりでも「たちつてと」になったり「がぎぐげご」が「だぢづでど」になります。滑舌(かつぜつ)が悪いので友達はいないし、悪口を言われたり、授業でわからないことがあっても先生に聞けません。前期に生活委員の仕事内容をクラスの前で発表することになったのですが、滑舌(かつぜつ)が悪く笑われてしまいました。それがトラウマで後期には委員会をやめ、人と関わることのない時間割り係になりました。でも本当は生活委員を続けたかったです。滑舌(かつぜつ)のせいで友達もおらず、やりたかった委員会もできない、授業でわからなかったことを先生に聞けない、部活では一人です。もうそれが嫌で勉強にも手がつかず順位も落ちました。たまに学校を休んだりすることもあります。親に滑舌(かつぜつ)を良くする教室に通わせて欲しいと言ったら「うちはお金もないし家から教室も遠いから無理」と言われました。もう私の滑舌(かつぜつ)はどうしようもないのでしょうか?学校に相談しても無駄でした。現在私は中1です。高校生になったら友達もほしいけど滑舌(かつぜつ)が悪いから多分笑われます。もう生きてても楽しくないので死にたいです。

回答

言葉のことでとても苦しい思いをしてこられたのですね。授業でわからないところを聞こうとしたり、委員会を頑張ろうとしたり、滑舌(かつぜつ)をよくするために何かできることはないか考えて行動に移そうとしたり、とたくさんの意欲を持っていたけれど、それらに対しても希望を持てない状態になってしまえば、つらく苦しい気持ちになってしまいますよね。今日までたくさんの葛藤(かっとう)をかかえながら本当によく頑張ってきた!と思います。

ぜひ、ここなび相談員が思ったように、自分でもよく頑張ってきた!と思ってください。そして、ひとつ提案。滑舌(かつぜつ)がよくなるための努力をいったん棚に置いて、今の自分のままでできることを考えてみるのはどうでしょうか。言葉のことを笑う人がいるならば笑う行為が間違っています。あなたにもあなたの言葉にも何の非もないのです。言葉をなめらかに話せなくてはいけないきまりなどないのです。どんな自分でも自分は自分だ、自分には楽しむ権利があると思うことができたときに、また棚から努力を取り出してみてもよいでしょう。「言語聴覚士」という職業の人のサポートを受けることができるかもしれません。保健室の先生や信頼できる身近な大人の人に、気持ちを伝えることができるとよいですね。ここなびはずっと応援していますよ。

回答

相談してくれてありがとう。ご相談を読んでいて、一冊ご紹介したい本を思い出しました。『泣いたあとは新しい靴をはこう』(日本ペンクラブ編・ポプラ社)です。これはあなたと同じ10代の相談者たちの悩みに44名の大人が答えるという本です。そのなかである吃音(きつおん)に悩む相談者にドリアン助川さんという方からの返事があるのですが、心に残る文章がありました。「ハンデと魅力は隣り合わせだということ。」(P36より引用)。ドリアン助川さんには吃音(きつおん)のご友人がいるそうで、またドリアンさん自身も色弱(しきじゃく)という目のハンデを抱えていると書いてあります。

ハンデという表現も「個性」という言い方ができると思います。人と同じではない部分(=個性)は誰にでもあって当たり前なのに、なぜかみんなと同じでないとなんか変、目立ちたくないという考えにどうしても縛られていることは多いです。でもそれはとても窮屈(きゅうくつ)ですね。あなたが自分の滑舌(かつぜつ)と向き合い感じてきたことを含めて、きっといつかあなたの魅力になると私は信じています。もうあなたは強く、優しい人だと思います。まず自分自身に優しくして、自分自身の1番の味方になってあげてくださいね。

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