~子どもの健やかな成長を祝う日本の伝統行事~
ひなまつりや子どもの日や七五三、みなさんが子どものころはどんなお祝いをしましたか?写真館に行って写真を撮ったかな?それとも千歳飴やお赤飯、お寿司・・・おいしいものをいっぱい食べた?
みなさんは知っていますか?日本にはむかしから子どもの成長を祝ういろんな伝統行事がありますが、それぞれ何のためにやるのか。実はそのほとんどに、「ここまで無事成長してくれてありがとうという感謝の思い」と、「子どもの厄(不幸なこと)を払い、これから先も元気に健やかに育ってほしいという親や家族の願い」がこめられているのです。
日本では、年中行事を行う日のうち、特に重要な日のことを五節句(五節供)といいます。五節句とは、人日(1月7日)・上巳(3月3日)・端午(5月5日)・七夕(7月7日)・重陽(9月9日)のことです。 これについて調べてみるとおもしろいことがたくさん見つかるかもしれませんよ。
読む
着物と二段重のひなまつり
~ここなび相談員めだかさんのお話~
私が過ごしたおもいでのひなまつりを読んでね。
おひな様は私たち女の子で、ひな人形はなかったのです。 女の子だけの秘密結社みたいでした。 3月3日の前の日、田んぼに行って、タニシをとります。ここからひなまつりが始まるのです。母はそのタニシを甘辛く煮てくれます。これが必ずお重のなかに入ってるのです。1段目にはお稲荷さんと巻き寿司。それを風呂敷に包みます。次に着物を着ます。出来る限りのおしゃれをしました。私はわくわくしながら、友達の家に行きます。「2階に行って」と、そこのおばさんが声をかけてくれました。みんなが着物でいつもと違います。遊び仲間が10人くらいいます。 細長いテーブルの上に風呂敷からお重を出します。まず、米麹で作った甘酒をみんなでのみます。 夢のような味と思いました。そして、歌やおしゃべりで1日を過ごすのです。
長崎の西彼杵半島の小さい町の1950年のころです。8歳から14、5歳までの女の子だけの、わくわくしたおひな様の行事でした。残念ながら、今はないようです。
十五夜の風習~団子ぬすみ~
~ここなび相談員メレンゲさんのお話~
十五夜には、ちょうど収穫を迎える里芋に団子やススキの穂、季節の果物などを供えて月を祭ります。
今では全く行われなくなってしまいましたが、この夜にだけは、子どもがよその家のお供え物を盗っても良いという風習がありました。ルールはその家の人に気づかれないように持っていくこと。子どもたちは暗がりの中、どうしたら大人に見つからずお供えを持ってこられるかと、知恵を絞り、チャンスをうかがったそうです。子どもがいることを知っている大人が見て見ぬふりをすることもあり、生垣の外から釣竿で芋どころか スイカまで吊り上げた子どももいたとか。お供えがなくなったのに気づくと、「お月さんが持っていった」といったものだと祖母から聞いたことがあります。戦後はだんだんになくなったようですが、70代の人なら子どものころ参加した経験があるかもしれません。アメリカのハローウィンにもちょっと似た、1年で一晩だけ子どものいたずらを許したほほえましい風習ですね。埼玉生まれの祖母や母からきいた話ですが、樺太出身の人のブログや大阪地域のホームページにもありましたので、全国各地にあった風習だったのかもしれません。
<参考ホームページ>
大阪府此花地区の応援ホームページ
http://www12.bb-west.ne.jp/konohana/koyomi/koyomi.htm
昭和ひとケタ樺太生まれ
http://blog.goo.ne.jp/mou6ji3/m/200409
見る
聞く
童謡 「とおりゃんせ」
小さいころ、この歌で遊んだ人は多いでしょう。でも、不思議な歌ですよね。天神様に行くのに、なぜ「行きはよいよい」で「帰りはこわい」のか?7歳のお祝いのお札ってなんだろう?
これは川越城の中にあった、三芳野神社(天神様)にお参りする様子の歌だという説があります。江戸時代、普通の人がお城の中に入りお参りできたのは一年に一度の大祭のときか、七五三のお祝いのときだけ。ようやくお参りできても怖い見張りの侍におびえながら帰っていった歌だというのです。祝いのお札は子供が7歳まで無事に育ったので、それまで見守ってくれた神様へのお礼です。 今のような医療のない昔はそれほど病気や怪我で命を落とす子供が多かったのですね。当時の親の思いを想いながら、もう一度聞きなおしてみませんか?
参考(歌詞):
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこの細道じゃ
天神様の細道じゃ
ちぃっと通して くだしゃんせ
ご用のない者 通しゃせぬ
この子の七つのお祝いに
お札を納めに 参ります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも とおりゃんせ とおりゃんせ
参考(CD):
タイトル: BEST NOW 21叙情歌
発売元: 東芝EMI
価格(税込): 2100円
(ただし、1曲 150円でダウンロードできます。-Yahoo! ミュージック)
<参考ホームページ>
川越の歌と文学(1)
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/kwg1840/uta.html
行こう
「泣き相撲」は、昔から「泣く子は育つ」という縁起をかついだ習わしが奉納相撲(神様や仏様に喜んで納めてもらう目的で、その前でして見せる相撲)に取り入れられたもので、全国的にも数少ない貴重な行事です。1~2歳くらいの幼児2人を、 力士に扮した地区の氏子(祖神である氏神の子孫)がそれぞれ抱き上げてヨイショをし、泣いた方を勝ちとします。いつごろから始まったのかははっきりしませんが、地方では栃木の生子神社や長崎の最教寺などが有名です。東京都内でもおこなっている神社があります。わりあい近いので、遊びに行きながら寄ってみるのもいいかも。
八王子 子安神社
毎年9月23日秋分の日に、育児祈願(子どもがすくすく育つように願う)の祭で行われます。
子安神社
住所:八王子市明神町4-10-3
TEL:042-642-2551
アクセス:京王八王子駅から徒歩3分 JR八王子駅から徒歩5分
<参考ホームページ>
子安神社
http://homepage3.nifty.com/ koyasu/index.htm
http://homepage3.nifty.com/ bogey_hosan/odori-sumo.html
浅草 浅草寺
毎年4月の下旬に行われます。
浅草寺
住所:台東区浅草2-3-1
TEL:03-3842-0181
アクセス:東京メトロ銀座線・都営地下鉄浅草線「浅草駅」から徒歩5分
<参考ホームページ>
浅草寺
http://www.asakusashichifukujin.jp/ sen.html
http://www.city.taito.tokyo.jp/ index/000013/013890.html
参加する
『お月見行事』 茅ヶ崎市民俗資料館(旧和田家) 9月9日(土)
そんなに遠くないから、参加してみてはいかが?茅ヶ崎市にある民族資料館では毎年、年中行事を再現していて、9月にはお月見行事をおこなっています。
内容は、竹細工や水鉄砲作り、そして最後のお楽しみは『団子ぬすみ』です。
家族で参加してみるのもおもしろそうだね。
<参考ホームページ>
茅ヶ崎市役所ホームページ
http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/ newsection/shougaku/shiryoukan/ event/event.html