社会福祉法人町田市社会福祉協議会
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『言葉のチカラ』

みなさんの好きな言葉は、どんな言葉ですか?
図書室の本やマンガなどを読んで、印象に残った言葉はありますか?
“この言葉に支えられて頑張(がんば)れた!”
そんな経験をしたお友だちもいるかな。「言葉のチカラ」ってすごいですよね。

今月は、ここなび相談員が自分の心に留め、日々の支えとなっている言葉をご紹介(しょうかい)します(*^_^*)

うらら相談員

「何によって憶(おぼ)えられたいか」

この言葉が書かれた本にはこうあります。
『私が13歳(さい)のとき、先生がクラスのみんなに、「何によって憶えられたいかね」と問いかけた。その問いかけに誰も答えられなかった。すると、先生は「今答えられると聞いたわけではない。でも、50歳になっても答えられなければ、人生を無駄(むだ)に過ごしたことになるよ」と言った。』

有名なタレントやスポーツ選手、政治家となってみんなに覚えてもらおう、という意味ではありません。「どう見られたいか」ではなくて、「自分がどのような存在として記憶(きおく)されたいだろうか」と自分自身の「あり方」を問うものです。
 学校を卒業するとき、会社を退職するとき、人生を終えるときに、「あの人はこういう人だった」と記憶してもらえるとしたら、どのように憶えてもらいたいか? この問いへの答えが大切なのです。
 さらにこう続けています。「運の良い人は、この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、一生を通じて自らに問い続けていくことができる」
 皆(みな)さんは運の良い人に相当しますね。私は、50歳を過ぎてからこの言葉に出会ったので、ちょっと運が悪かったかな。でも、「何によって憶えられたいか」を問いかけてみました。そうすると、自分のやりたかったことが分かり、仕事を変えることになりました。エンジニアから教育の仕事に大変身です。
 しかし、退職した今でもこの問いへの答えが見つかっていません。この問いは、一生、自分自身をなりうる自分としてみるよう、仕向けてくれるのです。

しずく相談員

「勇気は一瞬、後悔は一生」
「死ぬこと以外は、かすり傷」

私はいつも失敗を恐(おそ)れて躊躇(ちゅうちょ)し、一歩を踏(ふ)み出すことができない性格でした。せっかく良い思いつきを持っていても、それをぐっと飲み込んでしまう。行こうか迷っている内に先を越(こ)されてしまう。人との付き合いも怖(こわ)がってばかりで、話しかけたくても話しかけられない。言えばよかった、行けばよかったのにと後悔(こうかい)することがよくありました。そんな自分が嫌(きら)いで、心の中でいつも自分を叱りりつけていました。

「勇気は一瞬、後悔は一生」

この言葉は私が高校生の時に書道の授業を取っている友人が書いた文でした。この言葉を見た時、はっと気づいたのです。一瞬の勇気をためらって、ずっと後悔しているのはなんて馬鹿(ばか)らしいのだろうと。それ以来、ためらうことがあっても「どうにでもなれ!」という気持ちで行動を起こすようになりました。
この言葉の元は本のタイトルから来ているようです。

「死ぬこと以外は、かすり傷」

失敗はいくつになっても怖いもの。誰だって怖いものです。失敗を恐れてばかりだった私が出会ったのが、この言葉でした。初めて見た時は思わず、くすりと笑ってしまいました。この言葉をきっかけに、何か失敗してしまっても生きてさえいれば必ず挽回(ばんかい)のチャンスがある、死ぬことに比べればなんてことはない、そう思えるようになりました。
この言葉は水彩画の巨匠(きょしょう)である永山裕子(ながやまゆうこ)さんがラジオのイベントのために作った名刺(めいし)に書かれた言葉です。

今思えば、私は様々なチャンスをダメにしてしまっていたかもしれません。それらを取り戻すため、今はいろんなことに挑戦(ちょうせん)してみようと思っています。まだまだ遅(おそ)すぎるなんてことはない、気づくことができた今がチャンス。言葉に支えられながら一歩を踏み出せば、そこには新たな世界が広がっていて、より人生を豊かにできる。そう信じて日々、生きています。

つくし相談員

「冬来たりなば、春遠からじ」
「子どもには無限の可能性がある」

私の座右の銘は、「冬来たりなば、春遠からじ」と、「人(子ども)には無限の可能性がある」のふたつです。

「冬来たりなば、春遠からじ」と同じような名言で、「朝の来ない夜はない」というのもあります。この座右(ざゆう)の銘(めい)は、私が中学校へ新任教師として赴任(ふにん)した頃に身に付けたものです。当時、学校には先生方が交代で勤務する宿直制度がありました。宿直で眠(ねむ)れない夜には、小説をよく読みました。
好きな小説は、三浦綾子(みうらあやこ)の作品です。三浦先生が、結核(けっかく)で闘病(とうびょう)生活を送られているとき、お母様が「あなたは、今、トンネルに入っているの。トンネルがどんなに長くても歩いていれば必ず出口に出るものよ」と言われたそうです。先生はこの言葉を励(はげ)みに病を乗り越(こ)えました。この言葉に私も共感し、日常生活の中でどんなに苦しいことがあってもこれを信じて生きるならば、いつか必ず良い方に変わる・・・を私の座右の銘としてきました。
みなさん、苦しいことのあとには希望がある。少し我慢(がまん)すればいいと、開き直って自分を励ましてほしいと思います。人生には山あり谷ありで、苦と楽の両極端(りょうきょくたん)があることを自覚し、道を切り開いて欲しいのです。

二つめの座右の銘は「子どもには無限の可能性がある」です。私の教職経験は、合わせて30数年になりますが、京都大学の総長 平澤 興先生の生き方や講話に感銘(かんめい)を受け「人には無限の可能性がある」に感化されました。
私は、教壇(きょうだん)に立つ時も、学生や保護者と話をする時も、常に「子どもには、無限の可能性がある」という信念で授業や講話をして参りました。もちろん教育は、家庭教育が第一ですが、学校での学習で、よくできる子、できない子などと言っています。でも、子どもには隠(かく)れている無限の可能性があるのです。成績の悪い子どもが優れた人になった例はいくつもあります。
天才は汗(あせ)だ、と言いますが、学習も遅い、速いはあっても、必ずできるという信念のもとにいつも子どもと接しています。教育は、非常に難しい仕事ですが、教える側からすると、いかに上手にほめるか、自主性をどう伸(の)ばすかなのです。そして、欠点を指摘(してき)するよりも、いかに長所を伸ばしてやるかです。私は、このような目線で子どもや学生、保護者に接してきたつもりです。

最後に、「座右の銘」は、苦しいときや悲しいとき、泣きたいときや勇気がいるときなどに、励ましたり背中を押したりしてくれる言葉なのです。個人的には、一つだけに限定せず、また時代の変化によっても変えてもよいとさえ、私は思っています。
つまり、自分自身が前向きに生きるための言葉なのです。

ピッピ相談員

キープクリーン、キープヤング

私の父がよく口にしていた言葉です。そして、私の座右(ざゆう)の銘(めい)でもあります。

キープクリーン・・・いつも身の回りをきれいに

きれい好きな父は、いつも髪(かみ)を短く整え、衣類は自分でアイロンをピシっとかけていました。靴(くつ)も自分で磨(みが)いてピカピカです。
「おしゃれな人は身につけるものを大切にする」という言葉を耳にしたことがありますが、父はまさにそうです。

そういう生き方をしていると、人にきちんとした印象(※注1)をもってもらえるようです。

「いくらお化粧(けしょう)をしたり、おしゃれをしたりしても、自分の部屋が汚ければ何の意味もない。」とよく父は口にしていました。

頭の中が悩(なや)みでぐるぐるしていたり、心がもやもやしていると、途端(とたん)に部屋が乱雑になることがあります。

身の回りからきれいにすることで、頭の中や心の中も整えられると
きっと、父は私に伝えたかったのかもしれません。

キープヤング・・・いつも元気に若々しく

若々しいとはどういうことでしょう。
きっと、名前を呼ばれたら、間髪(かんぱつ)いれず(※注2)、はいと返事が出来る人。動きがきびきびしていて、目はいきいきしているのではないでしょうか。

いくら年が若くても、のそのそ歩いたり、聞こえないふりをして返事もしない人もいるので、年はあまり関係ないのかもしれませんね。

私はくよくよ悩んでいるときは、つい、声が小さくなったり、うつむいたり、肩(かた)を落としたりと、元気がない態度が自然に出てしまうことがあります。そのことに気づくと、すぐに、元気な声を出すこと、きびきびと動くこと、相手の目を見て話すことを心掛(が)けます。
なぜなら、そうすることで心のほうもついてきて、元気になることがあるからです。

キープクリーン、キープヤング これからも、心掛けたいと思います。

※注1: 強く感じて心に残ったもの。
※注2: 少しの時間も置かないさま。