ピッピ相談員
「私の辞書には『不可能』という文字はない」
かの有名なナポレオン皇帝の名言です。
私だったら…
「私の辞書には『~のくせに』という文字はない」と言えます。
私は小学3年生のとき、大好きな先生がいました。
いつも優しい笑顔の先生が、ある日、ものすごく怒って言いました。
「みなさん、『~のくせに』という言葉は絶対に使ってはいけません!なぜなら、人を差別するときに使う言葉だからです」
何が原因だったのかは、全く覚えていないのですが、先生の恐ろしいまでの怒りの表情と、その言葉は、私の心に深く、刻み込まれました。
「私の辞書には『○○』という文字はない」
あなただったら、○○になにが入りますか?
にこ相談員
「わたしはわたし」
あなたは、他の人と比べてしまい悩んでいませんか?
以前「あなたのアイデンティティは何ですか?」と聞かれた時に、
私は何だろう??と考えたことがありました。
アイデンティティ 難しくいうと 自分が何者か認識すること = 自己同一性
なんだかよくわかりませんね。
私なりに解釈すると
いちばん分かりやすいのは名前や立場
・〇〇学校に通学している〇〇です。
・〇〇に住んでいる〇〇です。
・学校では〇〇クラブに所属している〇〇です。
・家の中では長女の私です。 など
自分らしさや個性、性格、考え方など
・おとなしく、少し人見知りです。
・スポーツをする事が好きです。
・人の役に立つ事がしたいと考えています。 など
アイデンティティという言葉、ふだんから使っていることをご存知ですか。
それは身分証明書 = IDカード。IDカードのIDはidentity(アイデンティティ)を省 略したものです。身分証明書は自分とは何者か証明するものですね。
アイデンティティとは、わたしは他の誰でもない私であって、自分と他の人は別の人間であり、私は〇〇という人間です、自分であることを理解し認識すること。
昨日の自分と、明日の自分、そして10年後の自分、時間や環境が変わっても自分という存在が変わる事はなく、私という人間が存在している。
そして他の人も、皆それぞれ自分は自分であるということ。
それぞれが皆、異なるアイデンティティを持っているということ。
他の人と比べる事はない わたしはわたしなのです。
素敵な絵本を紹介します。
5歳の女の子が色々な立場からみた「わたし」を描いています。
機会がありましたら眺めてみてください。
タイトル:「わたし」 作: 谷川 俊太郎 絵: 長 新太 出版社: 福音館書店
うらら相談員
「心を傷つけたこと、ありますか」
あなたは誰かの心を傷つけたこと、ありますか。
私は中学生のとき、ある同級生A君の心を傷つけたことがありました。転校したときの出来ごとです。転校して間もないころ、A君が話しかけてきました。しかし、私は、「何を言っているか、わからない」と言いました。A君はさらに、話しかけてきましたが、私は「もっと、はっきり言って!」と言い返しました。数日後、親しくなった友だちから、A君は話しが不自由(うまく発音ができない)であることを教えてくれました。A君に申し訳ないことをしたと思いながらも、どう謝ってよいかわからず、話すのを避けるようにしました。
中学を卒業後、A君とはあったことがなく、数十年経ちました。しかし、今でも、A君の心を傷つけたことを思い出し、謝っていないことに悔いが残っています。
私たちの周りには、私たちと同じように見えていても、目の不自由な人(わずかに見える)、聞こえが不自由な人(少し聞こえる)もいます。そのような人たちに知らず知らずのうちに、その人の心を傷つけているかも知れません。
私は少なくともその人たちの立場をよく理解するため、ボランティア活動をしています。そして、もし、傷つけたことがわかったら素直にすぐに謝ろうと思っています。
つくし相談員
LGBTと道徳教育(小学校)について
LGBTを知っていますか? 小学生では、LGBTを知らない児童が、大多数であると思います。L(レズビアン)は女性同性愛者、G(ゲイ)は、男性同性愛者、B(バイセクシャル)は、両性愛者、T(トランスジェンダー)は、身体と心の性が異なる人と言われています。
小学生には難しいと思いますが、あなたのクラスの13人に1人の割合で存在していると言われています。中には周囲の友達からは、異質(いしつ)な人と捉えられ、からわかれたり、いじめにあうことがあります。そういったものをなくし、クラスの友達どうしが、楽しく仲良く過ごせるようにするためには、道徳や人権尊重の教育を充実させる必要があるのではないでしょうか。
以前、LGBTという理由で(性的マイノリティ)差別をしてはいけないという条例案が都議会で可決されました、人間尊重の精神は、日本国憲法の「基本的人権の尊重」でもあるように、道徳教育の目標の中で一貫して述べられています。
LGBTをお互いに理解し誰もが自分らしく生活するには、本人はもとより家族やこれを支える人たちが安心して暮らせる場が必要でしょう。町田市にも月一回開いている「虹色さざんか」という団体がありますので、もし悩んでいることがあれば是非調べてみてください。
人のことを尊重するということは、自分自身だけではなく,他の人に対しても同じように尊重することであり、また権利の尊重に関しても、自分と相手の権利の主張を認めてお互いに信頼し合うことが大切です。
世の中には様々な人がいて、1人1人がみんな違います。そんな1人1人違う個性を尊重し、認めることができる心を育ててほしいと思います。
虹色さざんか・・「性的マイノリティを含む多様な人々が困難に打ち勝ちエンパワーメントできるよう、気軽に安心して集える場づくりを目指す」ことを目的に、LGBT当事者やその家族、支える人たちが月に一度集まり、交流会や勉強会を行っている。
※虹色さざんかのTwitterのURL
https://twitter.com/sazanka_machida
ミモザ相談員
私にとってのLGBT
1997年、イギリス。
私はグラフィックデザインを学ぶために留学していた。
ロンドンが人種のるつぼと言われるように、その寮や通った大学もまた例外ではなく、言語も生活習慣も異なる国籍を持つ人々との生活だった。
ギリシャ、アフリカ、中国、スゥエーデン、フランス、スペイン、ドイツ…。思い出せるだけでも、かなりの国々からの留学生が共に生活していた。
その中で仲良くなった友人の一人に、テレンスという香港人がいた。
彼の外見は男性だが、心は女性。
ある時、彼の大好きな同級生の男の子について、はにかみながら話してくれた。初めは少し驚いたものの、「ああそうか、好きになった人がたまたま同姓だったんだね」と私の胸にストンと落ちた感覚は、今も鮮明に覚えている。
思い返せば、周囲の友人や先生の中にも、ゲイやバイセクシャルだろうと思われる人々がおり、それは特別なことではなく、感覚的に言えば「血液型がちがうんだよね」という程度の違いに思えた。
2019年7月、東京。
二人のLGBTの当事者からミニ講演会のような形で、直接話を伺う機会があった。
彼らはそれぞれ、男性と女性という性を持って生まれたが、Tさんはゲイであり、SさんはXジェンダーとしてカミングアウトして日本で生活している。
しかし、日本で生まれ育った二人のこれまでの人生はとても険しい道のりだった。二人とも自分の性のあり方が人と違うことに苦しみ、時には死も意識したと話してくれた。
私たちに話してくれている間も、「差別され、中傷されるかもしれない」という恐怖は拭え(ぬぐえ)ないという。それでも彼らは堂々と前を向いて、私たちの目を見ながら話してくれた。自分と向き合い、考え抜いた末、自分に正直に生きていこうという潔さと強い決意が感じられた。
その姿に感銘を受けつつ、こんなにも生まれた環境の違いが人の人生を大きく変えてしまうことに、私は強い違和感を感じた。それは20年前、私が暮らしたイギリスでの友人たちは、自分が性的にマイノリティーであることを当然としていたからだ。
歴史的、文化的背景が異なることは、百も承知だ。だが、根本的に人は皆違う。顔も考え方も人生も、どれ一つとっても同じ人はいない。
同様に、「性の在り方」も人それぞれだということを、ここなびのみんなには伝えたい。だから、もし自分や周囲の友人が性的マイノリティーだと気が付いた時、自分とは違うけど、そんな形もあるんだということを思い出してほしい。マジョリティー(多数派)とマイノリティー(少数派)の間に優劣(ゆうれつ)は決して存在しない。
ただし、性の問題はデリケートなことだから、もしも一人で悩んでしまうようなことがあれば、ここなびや下記の相談窓口に連絡してほしい。
私たちここなび相談員は、いつでも君たちの心の声を待っています。
※Gayゲイ…男性の同姓愛者(こころの性が男性で恋愛対象も男性)
※Bisexualバイセクシャル…両性愛者(恋愛対象が女性にも男性にも向いている
※Coming outカミングアウト…Coming outとは“coming out of the closet”のことです。
社会の差別、偏見や無理解から自分のセクシュアリティを隠さざるを得ない状態を「クローゼットに押し込まれている状態」にたとえ、そこから出て陽のあたる場所に自分を置く決意を言います。
カミングアウトは自分のセクシュアリティを受け入れ、肯定する過程でもあり、自分らしく生きてい行くための手段の一つです。
しかし、カミングアウトするかどうかや、いつ、誰に、どのように伝えるかは、当事者本人が決めることであり、周囲の人がカミングアウトを強要するようなことは決してあってはなりません。
(法務省人権擁護局ホームページ参照)
※X-genderエックスジェンダー…出生時に割り当てられた女性、男性の性別のいずれでもないという性別の立場をとる人々を指す
(ウィキペディア参照)
<相談先>
〇法務省 こどもの人権110番
0120-007-110 (8:30~17;15) ※全国共通・無料
※法務省「こどもの人権110番」のホームページには、同様にインターネット人権相談受付窓口もあります。
〇町田市 市民部 市民協働推進課 男女平等推進センター
042-721-4842
(毎週月曜日・火曜日・木曜日・金曜日・土曜日 9:30~16:00
毎週水曜日(第3水曜日は除く)13:00~20:00)
URL:https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/kurashisoudan/women_soudan/0583420110217171903310.html