社会福祉法人町田市社会福祉協議会
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「今、サンタさんにお願いしたいこと」

気が付けば、季節はもう12月。今年もクリスマスがやってくる。
本当にいろんな事のあった1年だけど、確実に季節はめぐってきた。
ガマンすることやつらいことが多かったぶん、ここまでこれたみんなを褒(ほ)めてあげたい。
自分を誇(ほこ)らしく思ってほしい。
だからクリスマスくらいサンタさんに、今一番かなえて欲しいことをお願いしてみよう!
大人も子どもも、みんな、願うことは自由だから。

ピッピ相談員

「今、サンタさんにお願いしたいこと」

サンタにタイムマシンをお願いしたいです。

タイムマシンに乗りこんで、小学生の自分に伝えたい。
宿題はちゃんとやったほうがいいよ。
友達と楽しく、やってみたら。とか、
マラソン大会は、途中苦しくなったら、歩けばいいんだよ。など、伝えたいことが、たくさんあります。

あとは、大人になっても、けっこう楽しいよ。と伝えたい。

うらら相談員

「サンタさんへ3つのお願い」

私が今、やりたいこと3つをサンタさんにお願いします。

一つめは、「生きづらい、死にたい、と悩んでいる方に、本をプレゼントして欲しい」というお願いです。「ソクラテスの弁明(べんめい)」という本です。難しい哲学の話しと思うかもしれませんが、実は会話風で読みやすく、短編なので1日で読めます。ソクラテスは「ただ生きるのではなく、よく生きること」と説かれました。しかし、さいごは毒杯(どくはい)を飲んで、「よく死ぬこと」を選んだのです。「よく死ぬこと」とは死ぬ直前まで「よく生きること」によって成されたのです。では、ソクラテスはどう、よく生きたのでしょうか? ぜひ本を読んでください。

二つめは、「今やる気がなく、将来に不安を感じている方に、映画を見させて欲しい」というお願いです。「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」という、SF映画です。タイムマシンで過去・未来を行ったり来たりするストーリーです。ネタバレですが、ドク(博士)が主人公に、「君たちの未来はまだ白紙さ。自分の未来は自分で切り開くものなんだ」というセリフが印象的でした。将来の自分は今ここにいる自分が決めているのです。

三つめは、「自分は何者か、何をしたいのか、悩んでいる方に、『伝言』して欲しい」というお願いです。以下の『伝言』はドラッカーという経営学者が書いた本から抜粋(ばっすい)したものです。しかし、経営のことではなく、ドラッカーが子どものとき体験したことです。

「何によって憶(おぼ)えられたいか」(ドラッカー)
「私が13歳のとき、宗教の先生が、何によって憶(おぼ)えられたいかねと聞いた。誰も答えられなかった。すると、今答えられると思って聞いたわけではない。でも50になっても答えられなければ、人生を無駄(むだ)に過ごしたことになるよ、といった」

「憶(おぼ)えられたい」という意味は、有名なタレントやスポーツ選手、政治家などになって、みんなに覚えてもらおう、ということではありません。「どう見られたいか」ではなくて、「自分がどのような存在として記憶(きおく)されたいだろうか」と自分自身の「あり方」を問うものです。

さらにドラッカーは「運の良い人は、私の宗教の先生(牧師)が問いかけてくれたように、この問いを人生の早い時期に問いかけてもらい、一生を通じて自らに問い続けていくことができる」と言っています。

あなたは運の良い人に相当しますね。私は50歳を過ぎてからこの『伝言』に出会ったのですが、今、第二の人生でこの『伝言』を自ら問いつづけています。

ミモザ相談員

「今、サンタさんにお願いしたいこと」

白い息が12月だということを思い出させてくれる。
冷たく乾いた空気の中、濃紺(のうこん)の空に浮かび上がるイルミネーションにハッとさせられた。
そうか、今年もクリスマスはもうそこまで来ているんだ。

日常って言葉にすると何でもないけれど、当たり前が当たり前にあるということは、実はとても尊(とうと)いこと。
朝起きて、いつも通りの日常があるということ。
共に学び、働くこと。
みんなで歌い、笑い、語り合うこと。
時には、旅をして新しい世界に触れること。
あなたが、そばにいてくれるということも。

サンタさん、私が感謝の気持ちを忘れませんように。
支えてくれる人々や包み込んでくれている地球に。
そして、みんなの心や体がこれからも元気でありますように。

さくら相談員

「今、サンタさんにお願いしたいこと」

大人にもクリスマスにサンタさんが欲しいものをプレゼントしてくれるというのなら、ずっと探しているけれどずっと見つけられなかったものをお願いしようと思います。それは「さかさまの日本地図」です。さかさまの世界地図は、南半球の国で売られていて、日本でも手に入るし、実際に貼られている場所も知っています。中国や北陸地方では、大陸側から見た横になった日本の地図も手に入るようです。でも、いわゆる日本だけがさかさまになっている地図はどこにも売っていないようなのです。

けれど私はその地図を見たことがあります。昔たまたま入ったラーメン屋さんにその地図はありました。(念のため。地図をさかさまに貼っていたものではありません)海藻(かいそう)のたくさん入ったラーメンを食べながら、壁に貼ってあった大きな地図を眺めて、いつも見慣れたものでも、見方を変えるだけでこんなに知らない世界になるんだと、わくわくしたことを覚えています。そのラーメン屋さんも今はありません。

大人になった今でも、どこかに「さかさまの日本地図」がないかなと思うだけでわくわくします。あの地図をもう一度見ることで、ふつうはこうだ、とか、これはこうあるべきだ、という固定観念(こていかんねん)※1から外れた自由なものの見方ができる解放感を味わいたいと思うのです。それはもしかしたら、大人になった今、余計に窮屈(きゅうくつ)な固定観念(こていかんねん)※1に縛られがちだからかもしれません。

サンタさんが、この気持ちを受けとめて、私の枕元に真新しいぴかぴかのさかさまの日本地図をそっと置きながら、「さあ、もう一度自由にものごとを見てごらん」と言ってくれると嬉しいなと思います。でも大人の私には「さかさまの日本地図を自分で探すことが、自由なものの見方をさがすことにもなるんだよ」と言って、夢だけ置いていく可能性もあります。 サンタさんは来るかな。クリスマスの夜がとても楽しみです。

※1固定観念(こていかんねん):いつも頭から離れないで、その人の思考を拘束(こうそく)するような考え。