きみどり相談員
「わたしにとって友であるということは」
みなさんにとって友達とはどんな存在ですか。趣味趣向(しゅみしゅこう)が同じ、何もいわなくても気持ちが通じる、何事でも分かり合えるなどなど…友達という存在に描く理想はみなさんそれぞれあるかもしれません。きっとどんな人にとっても(もちろんわたし自身にとっても)、友達という存在はときに心をあたたかくしてくれる、ときに心をもやもやさせる、そんな不思議な存在なのではないかと思います。
ところでみなさんからの相談のなかで自分には友達がいない、という悩みをよく目にすることがあります。それは自分が友達に描く理想(りそう)や相手に対する期待ということが大きく影響(えいきょう)しているのではと感じています。しかし、悩(なや)むことは悪いことだけではありません。色々考えをめぐらせるなかで友達に対して自分が大切にしたい軸(じく)のようなものが出来上がってくるのかな、と思います。
わたしにとって友達はそのままのわたしを許してくれる、そんな存在です。そしてわたしも友達と思える大切な人にとって、そういう存在でありたいと思っています。許すというのは、相手を全て理解する、というよりも、お互いの違う部分を認め合えるそんなイメージです。そのためにはまず自分自身に正直に、そして相手の前でも正直でいることが大切だと思っています。自分自身を取りつくろっていたら、きっと自分も相手もいつかは違和感を感じるでしょう。
趣味が全く違う友達が自分の世界を広げてくれる、また違う考え方をする友達の新しい価値観に救われるなんていうこともあります。普段そばにいなくても、お互いの全てを知らなくても、それぞれのことを認め合うことはできます。冒頭(ぼうとう)に書いた友達がいないと感じるのは自分が思い描く理想の友達像だけにとらわれるのかもしれないという話に戻りますが、自分の理想から少し視野を広げてみると、友達という人々は周りにいるのかもしれません。もし周りの人が自分の考えを理解してくれない、だから自分は変なのかなと思ったら、まず自分が自分のことを否定(ひてい)せず、認めてあげてください。自分が自分の一番の友達になれると、とても気持ちが楽に、そして楽しくなります。そうすると自分の正直な気持ちを大切にしたり、周りの人の正直な気持ちを認めることもできるようになる気がします。
以上のことは過去、そして現在進行形でもたくさん失敗しながら学びたどり着いた、現時点のわたしの考えです。これからも色々な経験を重ねながら、友達であるとはどういうことかゆっくり考えていきたいと思います。生きていると答えがわからないこともたくさんありますが、わからないからこそ愉しい(たのしい)のかもしれませんね。ここなびではこれからもみなさんと、そんな不思議でわからないことについて一緒にゆっくり考えていきたいです。
アナベル相談員
「友達って何だろう」~私にとっての友達~
友達って何だろう?
- 家族に言えないことでもなんでも相談できる人
- 趣向(しゅこう)が同じだから一緒に行動していて落ち着く人
- 困ったときに助けてくれる人
- 考え方や価値観(かちかん)が似ていて意気投合できる人
- 安心して愚痴(ぐち)がこぼせる信頼感のある人
私にとって友達とは人生においてなくてはならない大事な存在です。ここなびを読んでくださっているみなさんより多くの人生を歩んできている私は友達の数はほかの人と比べると多いほうかもしれません。長い付き合いをしている友達は中学時代から今でも続いています。付き合いが長いから良いということではなく、気心(きごころ)が知れているからしばらく会わなくても何の違和感(いわかん)もなく友達関係を続けることができます。
現代はSNSなどの普及(ふきゅう)によって顔をあわせなくても友達になることができ、その場を一にして時間を共にするだけでも容易(ようい)に友達になることができる時代です。友達になるきっかけはなんでもいいと思います。大事なことは相手の話を聞き、相手を理解すること、そして自分からも発信(はっしん)し、お互いに理解を深めあっていくことだと思います。そういう過程(かてい)を経て友達っていう関係性が出来上がっていくのではないでしょうか。
でも、友達って無理に作ろうとするものではないと思います。どんなに親しい友達でも誰もが一人ひとりの人格を持っているのですからずっと一緒に居てずっと同じことを考えているわけではないですよね。時に友達の嫌な面が見えてきて離れたくなってしまうこともあるかもしれません。すべて自分と同じ人間なんていないのですから、友達だからと無理に合わせる必要はないのです。自分と違うな、嫌だなと思うことを含めて受け入れることができるのが真の友達だと思います。
友達との関係を良好に保つ秘訣(ひけつ)を私は、お互いに距離感(きょりかん)を保つことだと思っています。学生時代は毎日顔を合わせるのでずーっと一緒に居ることが多くなりますが真の友達はお互いに今、自分が必要とされているのか少し距離を置いたほうがいいのかを考えます。
また、自分がつらい思いをしたとき、悲しい思いをしたとき、そして楽しい時を一緒に過ごすことができた友達、いわゆる苦楽(くらく)を共にした友達が自分の中で大切な存在になっていることが多いです。
出会いもあり別れもある人生の中で、私自身友達が離れていってしまった苦い経験もあります。たくさんの人と友達になることが良いわけでもないし、今、友達と呼べる人がいないのも悪いわけではないです。人との付き合いは面倒くさいと思う人もいるでしょう。
でも、(ここからは私の考えですが、)友達とは人生においてかけがいのないもので、自分の考えに共感し、意見してくれ、時には一緒に泣き、笑ってくれる無二の存在だと思います。
くろらん相談員
「くろらんが思う友達」
春先は、「♪1年生になったら 1年生になったら 友達100人できるかな♪」
なんて言う歌を思い出します。
入学したり、新学期になると出席番号が近かったり、背の順で顔見知りになった人と友達になった記憶があります。幼稚園や小学校が一緒で顔見知り程度の付き合いもあれば、まったく知らなかった人と気が合うこともありました。付き合ってみると、「なんか合わない」とか他の友達と一緒の方が居心地良いとかで流動的(りゅうどうてき)でおさまることがなかったように記憶しています。交換日記をしてお互い飾(かざ)らない気持ちを書いたり、一緒に遊びに行って仲良し!と思える時間を過ごした一方で、その時々で何となく集団に加わっていたり、一緒に教室移動したり、お弁当を食べたり、悪く言えば上辺(うわべ)だけサラッとした関係の友達もいたような気がしています。それぞれの時代に親しい友達はいたけれど、疲れて帰宅した記憶もあります。自分も成長したり環境が変わったりして現在まで続いている関係はほとんどありません。
だからくろらんは、本当に「友達」と呼べる人はそんなに多くなかったような気がします。「友達だった」人は多いかもしれません。そういう経験をするにつれて友達の中にいろんなカテゴリーが出来たと思っています。「少し話す程度の人」「気持ちを言い合う人」「勉強を教えてもらう人」などなど。けれどそれにも増して一人でいたいと思う時間も多くあって大切にしてきました。一人で何かをする時間の方が自分にプラスになるとも思えました。
それが成長するにつれて、同じ趣味や仕事など共通の感覚を持つ人とは長く友達関係が続いています。愚痴(ぐち)を言い合い、いたわりあい、励まし合い、ねぎらい合い、時には厳(きび)しいことを言い合います。自分に正直でいられて、素直に聞くことが出来る人たちです。しばらく会っていなくても「どうしているかな・・」と思う人でもあります。逆に、自分とは全く世界が違う人に友達はいないよな・・。価値観や何を大切に思っているかが違うからかな。「違う」と決めつけて人を見ているせいかな・・なんて反省もしています。
それから自分一人の考え方には限界があって、違う意見を聞いたり、SOSを出したり、どうしたら良いか相談することも大事なことだと考えるようになりました。
くろらんにとって友達って大事な人たちです。
みなさんはどうですか?
〇〇する人が友達です!と「友達」を型にはめないで、あなたにとっていろいろな友達の 存在がもたらすものを大切にしていったら良いのかなと思っています。
さくら相談員
「友達とは」
もう、本当に10代のころは友達のことでたくさん悩んでいました。
毎年の初もうででは必ず「友達と仲良くできますように」とお願いしていたくらい、不安がいっぱいでした。
新学期新しいクラスで友達ができなかったらどうしようとか、あの子に嫌なことを言われて悲しいとか、別の子に嫌なことを言ってしまって困ったとか、「友達」とうまくやるために無理して合わせてみたり、誰にでもいい顔して非難(ひなん)されたり、親友と思っていた子が別の子のことを親友と言ってショックを受けたり、友達から嫌われたり、たくさんたくさん悩んでいました。
それらは私にとって悲しい記憶でしかない、ということは実はありません。
失敗のたびに学んで、学んで、大人になっても学んで、すべて「経験値(けいけんち)」としてプラスになって、そして今では心から「友達」っていいなあと思えるようになりました。
「友達」って自分の気持ちが「友達」と思えるひとのこと。
大事なのは自分の気持ち。
相手の気持ちはわからないからわかろうとする、でもコントロールもできないから、自分の「好き」の気持ちを大切にする。
そのことが少しずつ身についてきました。
今友達とのことで悩んでいるひと、その悩みは苦しいよね。
つらくて傷ついてしまうと思う。
でも、そうやって悩めるあなたはあなたのままで素晴らしいんだよ。
きっと大人になったあなたが未来からエールを送ってくれるはず。
さあ、この一年、たくさん学んで少しずつ大人になろう。 心から応援しています。